「とりあえずインデックス投資しておけば間違いない」――新NISA開始後、そんな断定的なフレーズをSNSや動画で見かける機会が一気に増えました。確かにインデックス投資は、手間とコストを抑えながら市場平均のリターンを狙える合理的な長期投資術です。
しかし「万能」「絶対安全」という幻想を抱いたまま資金を突っ込むと、思わぬ落とし穴にはまりかねません。投資歴15年以上の僕が、成功と失敗の両方を味わった経験をもとに、インデックス投資のリアルなメリットと弱点を整理しました。
インデックス投資とは?──ざっくり3行でおさらい
- 株価指数(S&P500・全世界株式など)を丸ごと買う分散投資
- 信託報酬が低く、プロを選ぶ手間も不要
- 20年以上の長期保有でプラスリターン確率が高まる傾向
僕がインデックス投資にたどり着いた理由
投資デビュー当初は、テンバガーを夢見る個別株に全資金を投じていました。買った個別株は高値づかみからの狼狽売りばかり。。。
その後本を読むうちに「市場平均に勝てないなら平均に乗ればいい」という発想に出会い、積立型のインデックス運用へシフト。結果、時間を味方につける仕組みの大切さを身をもって学びました。
それでも“万能”ではない4つの理由
- インデックスも株式投資
安全性は 定期預金 > 国債 > 債券 > 株式 > 不動産 > FX。株式は値動きが激しい資産クラスです。NISA優遇に惑わされず、リスク許容度を自覚しましょう。 - 長い“退屈”期間に耐える必要
米国株が右肩上がりだった裏で、TOPIXや新興国指数は10年以上横ばいの時期も。増えない期間に積立を止めない精神力が試されます。 - 学びを止める危険
「放置でOK」と思い込むと、経済ニュースや金融知識への関心が薄れ、結果的にお金の本質を理解しないまま年月だけが過ぎることも。 - 億万長者は狙いにくい
インデックス投資は“凡人が老後に困らない資産を築く”ための戦略。短期間で数億円を狙うならハイリスク商品が不可避という現実は受け入れるべきです。
インデックス投資を武器にする5つのチェックリスト
- 目的・ゴールを数字で決める(例:65歳までに3,000万円)
- 毎月の積立額と購入日を自動化し、感情を排除
- 年1回はポートフォリオチェック。生活変化に応じ債券・金・現金比率を調整
- 急騰・急落時に「売りたくなったら48時間ルール」で一呼吸
- 税制変更や手数料改定など、制度面のアップデートも定期的に確認
まとめ|インデックス投資は「最強の凡人戦略」
投資歴15年の実感として、インデックス投資は専門知識・時間・手間の少ない社会人にとって、資産形成のメインエンジンになり得ます。
ただし万能ではない——期待値とリスクを正しく理解し、続ける仕組みを作ることで初めてその真価が発揮されます。
今回のポイントを押さえ、「NISAだから安心」ではなく「自分の目的に合ったツール」としてインデックス投資を賢く活用してみてください。
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